2008年09月17日
信じること・・・

ゆうが4歳・・・まだ言葉がちゃんとしゃべれなかった頃のある出来事。
脳の発達に良いからと、人から紹介された障害児の体操教室に初めてゆうを連れて参加した日のこと。
ここに通う人たちはみなさん常連さんだったようで、お母さんたちは体育館の側に座っておしゃべり。
子供たちは指導員とボランティアの人たちとまず順序良く並ぶ事から教わっていました。
初めて参加した私は要領がわからずに、とりあえずゆうと一緒に列に並びマット運動などをさせていました。
片付けの時間になったので、私はボランティアの方と一緒に片付けを手伝っていました。
するとその時、倉庫の中から子供の大きな叫び声と泣き声が聞こえてきました。
《ゆうが居ない!!》
慌てて駆けつけると、ゆうとダウンちゃんの男の子が喧嘩をして泣いていました。 大声で泣く相手の男の子にゆうが掴みかかろうとしていたのをボランティアの男の子(高校生くらい)が取り押さえて「どうしてお友達にこんないじわるするの?!」とゆうをきつく叱りました。
確かにゆうには噛み付く癖がありました。 でも、その頃のゆうはだいぶ状態も落ち着いていたので、むやみやたらに手を出すような事はなくなっていました。
注意されても尚、相手の男の子に噛み付こうとするゆう! どんなになだめようとしても収まりません。
「ダメなものはちゃんとダメだと教えないといけません!」とボランティアの男の子はゆうに掴み掛かるし、他のお母さんたちはその相手の男の子をかばうようにしながら こちらに冷たい視線を向けていました。
ゆうは相手の男の子の姿をみつけると暴れてどうしても抑え切れません。
「乱暴ね~。 怖いね~。 ××ちゃん大丈夫?」そんなヒソヒソ声が聞こえてきて、突き刺さるような視線と耳が痛くなるくらいに大声で狂ったように泣き叫ぶゆう・・・もういたたまれなくなり逃げるようにその場を立ち去りました。
車の中に駆け込み、ゆうをとにかく落ち着かせようとしました。 「ゆう、どうしてあんな事したの?」私もゆうを責めるような言い方をしてしまいました。
するとゆうが泣きながら首をしきりに振っている・・・なにかおかしい・・・?
ゆうの視線の先を見ると・・・なんとゆうの右肩にくっきりと歯形がついていました。 そう、ゆうは先に噛み付かれて痛かったので仕返ししようとしていたのです。
しかし、その現場を見ていた大人は誰一人としておらず、仕返ししようと掴み掛かったゆうと それに驚いて泣いた相手の子供を見て大人たちはゆうがいじわるをしたと判断したのでした。
そして、母親である私までもがゆうを信じてあげられなかった・・・
喋ることが出来ず、本当の事を伝えられない! 誰にも信じてもらえず、相手が悪いのに自分ばかりが怒られる!
どんなに悔しかったことでしょう! どんなに悲しかったことでしょう・・・。
気持ちが治まらずに泣きながら暴れるゆうを強く抱きしめながら「ごめんね!お母さん、気付いてあげられなくてごめんね!」と一緒に泣きました。
その後ゆうは大声でずっとずっと泣いていました。 私も悔しくて、情けなくて、ずっとずっと車の中でゆうを抱きしめながら泣いていました。
言葉が上手く喋れない為に、やってもいない事の責任を押し付けられたり、相手が悪いのに口達者な同級生にいかにもゆうが悪さをしたみたいな告げ口をされたり・・・そんな事が何度もありました。
大人は・・・すぐにおしゃべりな上手の子の言葉を信じます。 人とは少し違った行動をするゆうをなかなか信じてくれようとはしませんでした。
私はあの一件以来、何があっても私は我が子を信じようと思いました。 ゆうに疑いがかけられたら、事実追求を求めました。 必要なら自分で情報収集をして身の潔白を証明しました。
言葉が不自由だったゆうを守る為に・・・私は同級生の子供たちと仲良しになりました。 特に女の子は仲良くなると面倒をみてくれましたし、ゆうをかばってくれたり、何かあった時にはお話を色々聞かせてくれました。 時には証人になって、先生に掛け合ってくれたりと、本当に沢山助けてもらいました。
今ではあの頃がウソのように口達者になったゆう。 上手に言い訳もできます。
でも、お母さんは自分の子供の事を一番に信じています! そうでありたい! 改めてそんな気持ちを思い起こさせるような出来事があったので・・・
Posted by ミラクル at 21:43│Comments(0)