前回の記事(手術、その後・・・(3))に関連する事なのですが、こちらは手術を受けなかった例!
なぜ療育訓練や言語訓練、正しい接し方を理解する事が大切かと思った理由のひとつに、Ⅰ君と言う現在中2の男の子との出会いがありました。
Ⅰ君との出会いは遥か昔にさかのぼり、彼がまだ幼稚園、ゆうがオペを取りやめた直後・・・3歳になったばかりの頃でした。
たまたまⅠ君のお父さんとは職場の同僚でした。 当然ゆうの事は知っています。 当時手術をするからと介護休暇の件で会社ともめてましたから・・・☆
初めての出会いは公園でたまたま・・・うちも向こうも家族連れでした。
「うちの子、言葉が遅いって幼稚園で言われたんだよね~。」と、幼稚園の方から指摘され初めて(うちの子になにか問題でも?)と気付いたパターンです。
ちゃんとおしゃべりしてたし、確かに舌足らずな部分はありましたが「十分会話できるのにこれでも遅れてるんだ~?!」とお互いの夫婦同士で話し合っておりました。
それをきっかけに、何度か情報交換も兼ねて家族ぐるみで食事にいったりもしました。
お店でも、確かに多動なⅠ君。 おしゃべりも時々意味不明? 一方ゆうは・・・まるで怪獣です! 言葉?通じません!
通路でひっくり返ります。 奇声を発します! 私たち家族にとって、家族揃っての外食はかなりハードルが高くて、(いつかみんなで外食できるようになりたいね)が夢でしたから(笑)
ゆうの話を聞いて、Ⅰ君家族も病院へ受診に行きました。 結果・・・軽度の三角頭蓋。
とっても強い彼ら夫婦は「手術したら治るの?治らないなら手術はしない!!」と医者に詰め寄り、結局手術を受けない方向に決めたようでした。
「自分たちで頑張る!」と言う彼ら夫婦の為に、私が仕入れた情報はすべて教えました。 もちろん勉強会も何度か誘って行きました。
しかし、ある頃から全く勉強会にも足を運ばず、「もう心配しなくても大丈夫だから!」と言い出す様になりました。
そして私に「ある人のブログに三角頭蓋の事が詳しく書いてあって、どうやらその人の子供も手術したらしんだけど、その人に症状とか色々相談してるから、お前も相談してみろよ!」と言われました。 その人に全部聞けばわかるから・・・って感じでした。
私は、当然見ません! だって実際に体験した人たちが周りには沢山いるのに?生の声を聞けるし、実際に子供の様子だってわかるのに?
だって同じ三角頭蓋って言ったって、誰一人として全く同じ症状の子なんていないと思うし、発達にだって個人差はあるのに・・・。
だからこそ、あらゆる意見を見て聞いて、我が子にはどれが一番適しているのかを探し出して行くのが親の役目だと思うから、ひとつの意見だけを鵜呑みにするのはとても危険だと思いました。
小学校に入学する際に、適正就学を受けるように学校側から言われ「俺の子どもを障害児扱いするな!」とキレたそうです。
そして、小学校の校長先生に直接夫婦で交渉して、通常学級に通えるようにしてもらいました。
実際に入学して・・・噛み癖のあるⅠ君は、クラスで度々問題を起こします。 そして親は何度も学校に呼び出されます。
三角頭蓋の診断以外にも、小児発達の先生に受診はしたのか?と聞くと、その必要はない!うちは三角頭蓋なんだから!との返答。 全く耳をかしてもくれません。
言葉にだけ関しては、言葉の教室に通っているから大丈夫だし、週に1回は市の施設で療育を受けているのでちゃんとやってると自信満々でした。 私にしたら《それじゃぁ、全然たり~~~ん!!(怒)》ってとこでしたけどね(笑)
全ては学校に任せてあるから・・・の典型的なタイプの親でした。
勉強会に関しても、自分たちの知りたいのは言葉に関する事だけ!自閉症や聴覚障害なんてまったく関係ないから聞いても無駄!と言う彼らの考えは、私は違うと思っています。
すべての面に関して共通する部分は必ずあるのだから、無駄って事はないと思って私は積極的に勉強会には足を運びました。
そこで、抱える悩みを他のお母さん方や先生方に相談し、アドバイスをいただき、そうやって乗り越えてこれたのですから・・・絶対に無駄ではないと思うのです。
他の子供たちの妨害になり、他の父兄からの苦情も何件か出て、Ⅰ君は通常学級での対応が難しくなりました。
止む終えず、Ⅰ君の両親は特別支援学級に席を置き、通級と言う形をとるようにしました。
しかし通級とは言っても、教室移動が一人では難しく、小4くらいまでは必ずクラスメートが2~3人付き添っていたそうです。
そして、高学年になると・・・完全に特別支援学級で殆どの時間を過ごすようになりました。
Ⅰ君の両親は、いつも私に「Ⅰはすごく伸びたよ! アレも出来るし、コレも出来る!ゆうはどう?」と聞いてきました。
いつも私が仕事を早退して言語訓練に行ったり、病院に行ったりするのを「向こうの子供は重度だからなぁ~。大変だよな!」と他の同僚に話していたそうです。
学年がすすむ毎に・・・ゆうはすごく落ち着いて来ました。 療育手帳も対象から外れて、適正就学も外れました。
普通に・・・最近ではリーダーとしてクラスメイトと楽しく学校生活を送っています。
私はその職場をやめてしまいましたが、つい最近久しぶりに大型スーパーでⅠ君家族とバッタリ出くわしました。
「久しぶり~!元気だった? えっ?!これがあのゆう君・・・?」
前回と同じく、Ⅰ君のご両親も言葉を失ったまま、ただ呆然とバーガーをほおばるゆうの姿を見つめていました。
《努力は裏切らない》って本当ですよね♪